オーラJ第21回定期演奏会


2008年5月10日 三木稔

3月11日、四谷区民会館ではオーラJの第21回定期演奏会。1967年の日本音楽集団時代に私が創案して、普通に道を歩いている人々により近い感覚のプロジェクトとして始めた「ニューかぐら」という様式で、69年、オーラJでの02年に続く4回目。今回は歌と語りに舞踊や身体表現を加えた公演。私の曲は、歌楽《鶴》に加え、三味線の王子様 野澤徹也のために満を持して作曲中の《三味線協奏曲》の初演をトリとする、痛快なコンサートになるはずだ。
【事後追加】
このコンサートは、企画した私の想定以上に多くの方々から好評を頂いた。
沢山の入場者も得、バラエティーのある5作品の配列、日本音楽集団やオーラJで、かつてプログラミングしなかった30分の歌楽《鶴》が、飯島香織の歌い語りを初めダンス・演奏とのバランスよく、異彩を放ったし、D・ウオマックさんのロックの要素を全面的に取り入れた《Walk across the Surface of the Sun》は難しいが爽快な作品、佐藤容子の新筝と踊りとのよく練られたデュオ、私がやっと書いた《三味線協奏曲》と続く後半の3初演曲もみんな清々しい全力上演だった。《三味線協奏曲》はいくつもの筝協奏曲や尺八コンチェルト《ロータス・ポエム》で客観的に聴衆の支持を得てきた自分としても、野澤徹也という若い三味線スター候補の持ち味を生かし、疾走して留まらない音楽を志向して、ほぼ目的を達した作品になり、更につぼにはまった再演が期待できた。長年、現代音楽界からの村八分を恐れず自分の信念を徹してきた私の生き様に共感してくれた某大学院の音楽学専攻の2人が打ち上げに特別参加して、大いに盛り上がったのも、いいおまけだった。


三木 稔